11:それって伏線じゃねぇのかよ!…な、予想外の結末のミステリー漫画
青野春秋さんの『100万円の女たち』全4巻読みました!
ネタバレ含みますので、嫌な方は回れ右!
正直な話、最初は全然期待せずに読み始めたんですよねぇ。
だって絵もあんなだし、なんかタイトルも安直だし。
(じゃぁなぜ手に取った)
でも途中から、謎が謎を呼ぶ展開にどんどん引き込まれていきました!
まずはあらすじ。
主人公は道間慎、31歳、売れない小説家。
彼は一軒家で、素性もはっきりしない5人の女と同居している。
そして彼女らは、毎月家賃として100万円を慎に支払っている。
なぜ慎と女たちは同居をしてるのか?
なぜ女たちは毎月100万ものお金を支払えるか?
なぜ彼女たちはそんな大金を払ってまで慎と同居しているのか?
多くの謎を孕みながら、物語は進んで行く。
裏表紙の説明にもラブコメディと書いてありますけど
どこが???
これはミステリーで、サスペンスだと思います。
この作品の最大の謎
「誰が何の目的で、道間慎と女たちを同居させているのか」
一つ事実が明らかになると、また別の謎が出てくる。
そして、道間慎という男を取り巻く環境がまた複雑で、どいつもこいつも怪しく見えてくる。
道間慎という男…
慎の父親は、自分の妻(慎の母)を含めて3人を殺した死刑囚である。
慎は毎月、父が殺した警察官の実家に線香をあげに行っている。
そして、その警察官の母親は、自分の息子を殺した男の息子である慎(長ぇ!)のことを、実の息子のように気にかけている。
(怪しい女その1)
道間慎という男…
週に2回、超高級ソープランドに通っている。(家賃で500万ももらってるからね、金はある。)
そこではいつも「ほたる」という女を指名しており、入れ込んでる模様。
ほたるもまた、慎のことを「先生」と呼んで親しげ。
(怪しい女その2)
道間慎という男…
売れない小説家なのだが、担当編集者は彼の作品にひどく傾倒している様子。
別の売れっ子作家と比較し、慎の方が素晴らしいと売れっ子作家をやたらディスっている。
慎の作品を売ることに、大いなる熱意を燃やしている。
(怪しい男その1)
その他にも、慎に批判的な評論家や、売れっ子小説家、そして同居する5人の女たちと、もう周りが怪しい奴らだらけ!
そして同居する女の1人が殺されたあたりから、物語は加速度的に進んでいきます。
結論から言うと同居女の1人が黒幕だったわけですが…
2回読んだけど、この女の目的がわからない…
夫が築いた権力を、ただ使いたかっただけ?
それを使って誰を玩具にしようかと検討してる時に、たまたま慎の小説を読んで、ターゲットにした?
売れない小説家の作品をたまたま読むとかある?
慎の父親が死刑囚であること
慎が才能がありながら評価されていない、不遇の小説家であること
同居の女たちの素性(コールガール派遣の胴元だったり、世界的女優だったり)
同居の女たちが慎に惚れていること
ぜーーーーーーーーーーーんぜん、関係なかった(笑)
伏線だと思ってたことが伏線じゃないっていう…。
あんだけ引っ張った謎の結末がこれかぁ…と思うと、ちょっと残念。私の読みが甘いのかしら。
とは言え、最後までスピード感があり、謎に引き込まれていく感覚はすごく良かったし、
なにより生き残った女たちが未来に向かって歩んでいく結末は、読後感も良かったです。
10:美男美女のはずなのに…ヲタクってだけで何かもう…
ふじたさんの『ヲタクに恋は難しい』1、2巻を読みました!
正直な話、ヲタクって何かよくわかっていない。
私は漫画をめちゃくちゃ読むし、アニメもそこそこ見るし、レディコミ、BLも嗜む程度にはお付き合いがある。
これはヲタクに分類されるのか?
自分をヲタクと思ったことは、あまりないのだけども。
(´-`).。oO(つか、BLを嗜むって…)
さて。この作品の登場人物は主に4人ですが、彼らは自らがヲタクであるという自覚がある。
それぞれジャンルは違くて、BLの薄い本を描いてる人もいれば、男装コス&ちっぱい萌えの人もいるし、極度のゲーヲタがいたり、単に漫画好きだったり。
そしてある者はヲタクを戦略的に隠し、ある者は恥ずかしいと言って隠し、ある者は堂々とヲタであることを隠さない。
これだけ見るだけでも、ヲタクは十人十色なのだなーと思う。
ちなみに主人公の「なる」は戦略的に隠している派。
隠してるっつーか、なんつーか。。。(´ε`;)ウーン…
と言いますかね。
この作品は基本的に少女漫画なわけですよ。
主人公は可愛い!親友はスレンダー美人!
出てくる男はイケメン!もちろん彼氏もイケメン!
そしてそして、いきますよ?
覚悟は良いですか?
その1!なるは可愛いけどちっぱい!女子どもの反感を買わない!
その2!主人公の彼氏・宏嵩はメガネ男子!メガネとったらイケメン!表情に乏しいが主人公にだけは笑顔を見せる!萌え!
その3!クール美女の親友・花子はツンデレ!しかもスレンダーなのに巨乳!弱い部分は彼氏と主人公にしか見せない!
その4!花子の彼氏・樺倉はちょいワル系のイケメン!実は心優しく、花子とお揃いのネックレスとかしちゃってるギャップ萌え!
はっはっはっは!恐れいったか女子どもよ!
お前たちの願望を全部詰め込んでやったぞーーーーー!!!
って作品です(о´∀`о)
ただ、フツーに願望を詰め込んだだけの作品だったら、こんなにヒットはしなかったでしょうねぇ。
少女漫画でたまにある、ただ本人が描きたいものを描いただけのつまらない作品にしかならない。
やっぱりね、ヲタクってところがね、いいんですよ。
ヲタクであることが自虐的なコミカルさを出していて
ヲタクの人はもしかしたら「あるある!」ってなるのかもしれないし
ヲタクではない人も「ヲタクってこーゆーとこある!」とか「ヲタクってこうなんだ!」みたく楽しめるし。
んでもってヲタクだから、美男美女揃い、ハイスペックどもの恋愛模様でも
全然僻む気がおきない(笑)
キャラ投票では宏嵩が1位だったようですが
私は断然、樺倉太郎推しです。
てゆか、太郎と花子のカップルって…名前がひでぇ(笑)
09:イケメン率ハンパねぇな…赤僕バレンタインランキング!
今週のお題「バレンタインデー」
ふむふむ?で?今週のお題はバレンタインだそうです。
バレンタイン×漫画…私はある漫画の1話を思い出しました。
私がちょうど小学生の頃に連載していた少女漫画です。
ご存じない方のためにあらすじをば。
主人公は小学5年生の拓也くん。彼はちょっと前に母親を亡くしてしまい、イケメンのお父さんと、可愛らしい弟の実くん(2歳)と暮らしている。
拓也くんも、もちろんイケメン。それも正統派イケメン。
頭も良く、運動もできる。そして、亡くなった母親の代わりに家事に育児に大忙しの毎日。
そんな拓也と実の心温まる日常を描いた作品です。
…が。
なかなかどうして…。
少女漫画ながら、いじめや虐待、家族のあり方、性の問題、生と死についてなど、重いテーマもがっつりしっかり描いている。
何歳になっても楽しめる、素晴らしい漫画です。
さて。
そんなイケメン拓也くんの周りには、これまた沢山のイケメンがいる。
ここら辺は少女漫画だからだよなー。美少女キャラより圧倒的にイケメンキャラが多い。
なんならゴンちゃん以外の友達は大体イケメンだ。
(ゴンちゃんすまん)
そんなイケメン揃いの学校ですからね。
バレンタインは大盛り上がり!!
誰が1番チョコをもらうのか?というトトカルチョも発生!
そんなイケメンのラインナップはこちら。
連載開始時に5年生だった拓也ですが、この時点では6年生になっております。
ちなみに私は藤井くん推しです。
ちょっとぶっきらぼうなイケメンに弱いんですよねぇ(笑)
そしてバレンタイン、1番多くチョコをもらったのは…??
5位 ①広瀬努くん 3個
美形ナンバーワンですが、クールすぎる性格が災いしたか?
彼はお父さんが売れない漫画家さんで、大変貧乏なのです。
でもお父さんの作品が評価された時は、嬉し泣きをしていました。
ツンデレですね。萌え。
4位 ⑤竹中七海くん 4個
ベビーフェイスな七海くん。
私くらいのBBAからすると、七海くんマジ可愛いんだけどねー…同学年や年下からはモテないか。
ちなみに七海くんのパパは船乗りさんだそうです。七海くんはママ似の模様。
3位 ③藤井昭広くん 7個
どっひゃーーーーー!!!
私の推しは残念ながら3位…ぶっきらぼうすぎるのか?そうなのか?
藤井くんは6人兄弟(姉2、兄1、妹1、弟1)で、下の兄弟は実くんと同じ保育園通ってます。
拓也と実のとこみたく、仲良し!って感じではないんだけど
それぞれが実は兄弟想いで、いい家族なんですよねぇ…
2位 ②榎木拓也くん 9個
主人公なのに…まさかの2位!
でも女子の間でやってたトトカルチョでは1番人気でしたね。
ちょっと天然でモテてる自覚ないところがまた主人公って感じなのよねー。
そして1位! ④森口仁志くん 11個
11個ってすげーなおい。
森口くん。彼のモテる要素は…私にはよくわからんが、バランスがいいんだろーなー。
思うに、バレンタインって単純なモテ度より、「チョコを快く受け取ってくれるかどうか」もあると思うのよねー
現に藤井くんは快く受け取ってくれる感じじゃないから、居眠りしてる間にポケットに突っ込まれてたしな。
森口くんは直接もらってるシーンもあったし、めんどくさがらずに対応してくれるのでしょう!
だから貰ったのでしょう!
モテ度なら絶対藤井くんのが上だかんな、おい!!
ちなみに森口くん、ママは警察官、パパはオネェという、超特殊な家庭で育っております。
以上!赤僕バレンタインランキングでした!
実は他にも6個とか貰った人いたようですが、モブすぎるので割愛(笑)
しっかし、6-2のイケメン率はんぱねーな。
08:若者たちのSFサバイバル漫画、堂々完結!
『7SEEDS』の外伝を読みました!
『7SEEDS』の最終巻が出たとき、私、すごくガッカリしちゃったんですよね。
あー終わっちゃうんだぁー…
ってガッカリではなく
え!?こんな終わり方!?嘘やろ?っていう。
でもこの外伝が、そのガッカリを払拭してくれた…
ありがとうありがとう…
この作品を世に出してくれた田村由美さん、出版社の方々…本当にありがとう…
文句なしに名作です!!!
『7SEEDS』の本編は35巻で結末を迎えました。
ちなみにご存じない方のために。
『7SEEDS』のあらすじ!
地球に隕石が衝突するーーーーそう決まった時、各国の政府はあらゆる策を講じました。
隕石を阻止しようとしたり、逃げ込むだけのシェルターを作ったり。
その計画の一つが「7SEEDSプロジェクト」。
若い男女7名+お目付役の大人1名を1チームとした複数チームを
冷凍保存で未来に送り出す。
環境が回復したとコンピューターが判断した時に、「解凍」されるように。
何も知らされず未来へ送り出された若者たちは、突然未来で目覚めた。
家族や友人、恋人に別れを告げることも許されず、生態系も全く異なる世界へと変わった未来の日本で、サバイバル生活を余儀なくされる。
ある者は過酷な環境に殺され
ある者は未来の生き物に殺され
ある者は人同士の争いで殺された。
それでも生き残った者達が、最後、佐渡の島にたどり着き、
ここで、みんなで力を合わせて生きていこうと決めた。
本編はここで終わります。
で、この外伝ですが
まんま35巻の続きです。
もう36巻じゃあかんかったのか?と言いたいぐらい…35巻終わり(佐渡の地下から脱出)の翌日から始まります(笑)
ちなみにわたくし、田村由美さんの前作『BASARA』からのファンで、『7SEEDS』も一巻からリアルタイムで購入しています。
だからねぇ、なんていうか35巻を読み終わったときは、なんか腹立っちゃって。
安居は花をレイプしようとした。
安居の生い立ちや精神的に追い詰められていた状況など、自暴自棄になる理由があったとは言え
絶対許されないことだ。
花や花に近しい人たちが安居を許せないのは当たり前だし、安居の仲間たちが安居を見限るのも当然だ。
しかも安居と涼は十六夜さんを殺してる。
絶対に許されるべきではない。
なのになのになのに
なんで普通に同じコミュニティにいるのーーーーーーーーーー!
「安居と涼はちょっと離れたところにいる」
って、その程度で許されるんか!?
っていう怒りがフツフツと。
好きな作品だからこそ、そこをうやむやにして欲しくなかった。
だから許せなかった。
でもね、外伝ではその部分をしっかり描き切ってくれた。
許されないことがある
相容れないものがある
たった30人になった世界でもそれは仕方ない。
人を傷つけること、ましてや殺すことは、それほど重いことなのだ。
安居と涼はコミュニティを去るしかなかった。
そうなるだろうとは思っていたけど
でも
「ここのみんなのために…」
という、安居が悩みに悩んでたどり着いた答え。
安居寄りに見れば、ナツや蝉丸と仲良く暮らす未来であって欲しかったけど
花や桃太寄りに見たら、そんな未来はありえない。
それでも、これまで傷つけた人たちのために生きると決めた安居の決断は
個人的には最良の終わり方だったと思う。
本当に本当に、素晴らしい作品をありがとう。
番外編の、仏像作る話も良かったよねぇ…
ああ、この世界の人たちに、もう会えないと思うと悲しいなぁ…
『BASARA』の時みたく、外伝をいっぱい描いてほしいなぁ。
この作品は、本当に大好きなので
人物の分析や考察、各巻の感想など
もっともっとたくさん記事を書きたいと思います!
07:猫に「またね!」って言ってもらいたい
※注意!
猫の死について触れてる記事です。
読みたくない方は、回れ右!
石塚夢見さんの『またね!』読みました。
Yahooブックストアの無料コーナーで読んだ作品。
猫との別れがテーマの、1作品6ページの短編集。
巻数が書いてなくって1冊だけの作品かと思っていたのですが、続きも出ているようです。
実は、わたくし、先月猫を亡くしたばかりなのです。
それでこんな漫画を読むもんだから、仕事の合間に読んでは泣き、電車で読んでは泣き、寝る前にベッドの中で読んでは泣き…
読み終わるまで数日かかってしまった。
それでもどうしても読みたかった、読み切りたかった。
別に、これを読んだから供養になるってわけでもないけども。。。
作品のほとんどが猫視点で描かれている。
どの猫も純粋に飼い主を慕っていて、どの子も愛おしくなる。
飼い猫を亡くしたばっかりだからかな。
やっぱり猫を見送る話がやっぱり印象的だった。
いくつかストーリーをピックアップして書こうと思ったけど
ううう…ストーリー要約するだけで涙が…(´;ω;`)
この作品は本当に…飼い主のエゴの塊だ。
こんな風に猫に愛されていたい、こんな風に感謝されていたい。
そういう飼い主の願望が描かれている。
実際、飼い猫が飼い主にこれだけの愛情を持っているかなんて、わかんない。
別の生物だしね。愛の感覚も違うもんね。
でも、そう思われてたいんだよね。その気持ち、すごくよく分かる。
私の実家の飼い猫は、私が少し目を離した隙に亡くなってしまった。
私はその日、母から猫の様子がおかしいと聞いて、仕事ほっぽり出して実家に行ったのです。
で、病院に連れて行く準備をするために、ちょっと猫のそばを離れた数分の間に、猫は逝ってしまった。
私は、猫の亡骸を見るその瞬間まで、今日猫が死んでしまうなんて、1mmも思っていなかった。
もう自力で立ち上がることも出来ず、ガクガク痙攣している猫を見ていたのに、病院に行けば大丈夫だと、信じきっていた。
もしかしたら、介護が必要になるかな?そうしたら私、実家に戻ろう。そんなこと考えてた。
いや、多分ね、薄々は分かってたのかもしれない。
でも敢えて考えまいとしてたのかな。
自分でも、よく分からない。
最初はね、痙攣が治まった!良かった!って思ったんだ。
でも、目を見た瞬間、そうじゃないってわかった。
生きてる時と死んでる時とで、目ってあんなに変わっちゃうんだね。
よく「もう何も映さない瞳」なんて言ったりするけど、まさにそれ。
猫の汚物にまみれながら、もう動かない猫にすがりついて、ワンワン泣いた。
力なく、重力に従うだけの、抜け殻の感触が、まだ手のひらに残ってる。
多分、この先この感覚は一生消えない。
病院なんか連れて行こうとせずに、ずっとそばにいればよかった。
触れられたらイヤかな?なんて思わずに、ずっと撫でていればよかった。
どんなにイヤがっても、ギュってしてチューしてスリスリすればよかった。
今日が最後だって、最期だって知っていたら、ギューってして離さなかったのに。
猫のためじゃなく、自分のために。
この『またね!』という作品で、作中の猫たちの
自分を責めないで
後悔しないで
泣かないで
ありがとう
大好きだった
っていうモノローグを見て
うちの猫も、そう思ってくれていたらいいなって、思った。
それは、私が、亡くなった飼い猫に言ってもらいたいって思ってる言葉、そのまんまだった。
だから本当に飼い主のエゴ。
自分が救われたいために、私はこの作品を読んだのだと思う。
自分の後悔と罪悪感を和らげるために。
情けない飼い主で、本当にごめん。
でも、私はまた飼い主になりたいよ。
また見送ることになるのだけども
それでも飼い主になりたい。
だからタイトルは『またね!』なんだね。
また、会いたいから。次も、あなたの飼い主にして欲しいから。
最後にうちの天使ちゃんの写真をば。
モデル級とはいかないけどねー。
読者モデル級には可愛いと思うのよね!
06:マンガ大賞…大穴の青春アニマルライフ
マンガ大賞シリーズ…シリーズ?第3段です。
satomi-manga-hon.hatenablog.com
個人的な希望としては『メイドインアピス』
satomi-manga-hon.hatenablog.com
でも、もしかして、大穴でこれが来るんじゃないの…?
と思っているのがこの作品。
すみません、私これ、試し読みで1巻読んだだけなんです。
なので語るほど、情報がない。
でも、大賞の可能性、結構あるんじゃないの?って思ってる
てゆーか『メイドインアビス』より可能性あるかもしれない…畜生!
(´-`).。oO(BEASTARSだけに畜生なの?)
(´-`).。oO(・・・・・)
(´-`).。oO(・・・・・・・・・・・・・・・)
さて。
なぜ私が『BEASTARS』に大賞の可能性を感じているのか。
広告の露出が多いんですよ!!!!
一時より減った気はするけども、めっちゃ多い。
こーゆーヤツ。
友達がBEASTARSの広告のスクショ送ってくれた!いまyahooさんで流れてるんです😳😳謎漫画っぽさが良い〜 pic.twitter.com/kYuhqNGnfU
— 巴留 BEASTARS⑦2/8 (@itaparu99) 2017年7月9日
この手の広告があまりに目につくものだからねー、思わず試し読みしてしまったのよね。
広告がされるってことは、漫画配信サイトで優良コンテンツだと思われているということ。
そして私のように、その広告に惹かれて読む人が大勢いるだろうということ。
『BEASTARS』は、去年まで一次候補にすら入っていなかった作品ですが
その点は昨年大賞を獲った柳本光晴さんの『響~小説家になる方法~』も大体同じ。
だから、大賞の可能性、あると思うんですよねぇ。
で。今回このブログを書くにあたって改めて読んでみました。
舞台は現代のヨーロッパのような雰囲気の場所。
そこは肉食獣と草食獣が一緒に文明を築いている世界で、彼らは普通に一緒に暮らしている。
主人公の狼のレゴシが通う学校も「共学」である。
一緒に授業を受け、一緒に部活をする。
でも寮は別々、食事のメニューも別々(当たり前だ)。
ちなみに「肉食」は厳禁なのだそう。
だからレゴシ達肉食獣が食べるのは豆とか卵とかのタンパク質。
そして、悲しいことだけど差別がある。
まぁそりゃーね、そうよね。違う生物同士が暮らすんだもの。しかも、片方は捕食動物なのだ。
なにか事件があれば、肉食動物が疑われたりする。
そんな世界で暮らす狼のレゴシは、恋?をする。
相手はうさぎのハルだ。
でも、これって恋なの?食欲なの?どっち?
それがすっごい大問題。
この話のベースって結局、よくあるタイプの「異なるコミュニティに属する者の恋」なわけよね。
神と人だったり、異世界のもの同士だったり、人種が違う者だったり、身分が違うものだったり。
でもこのタイプの話って、どちらかが社会通念や、コミュニティを捨てることで一緒になれるわけよね。
この場合はぜんぜん違う。「捕食者」と「被捕食者」だもの。
その間にある溝はあまりに深い。
レゴシはハルに強烈な食欲と破壊欲を感じてしまう。
そのことをひどく恥じる姿は、なんだか性欲を恥じる思春期の少年のようなのだけど
とても微笑ましいとは言えない。
本能に訴える恐ろしさがある。
またこのレゴシってキャラがいいのよねぇ。
見た目怖くて、何考えてるかちょっとわかんないんだけど
実はすごく不器用で繊細で優しい。
イケメンキャラだよねぇ。
前々から気になってる作品だから、続きを読んでみたいなー。
05:神のくせして完全ワンちゃんやで…
外園昌也さんの『犬神-改』を途中まで読みました!
初めて『犬神 』 を読んだのは、小学生か中学生の頃。
駅のそばの本屋が、立ち読み防止のビニールつけてない本屋さんでね(そもそも当時はそんなものなかったかも…)
そこで全巻立ち読みしました。
ストーリーは全然覚えてないんだけど、立ち読みで読破してやったぜー!みたいな、妙な達成感だけはやたら覚えてる(笑)
電子書籍版が出てるって知って、懐かしくなって改めて読んでみた。
まだ途中までしか入手してないんで、その途中までの感想をば。
主人公の史樹(ふみき)君は高校3年生で、ちょっと迷走中の男の子。
受験を控えてるんだけど、あんまり身が入らなくて
「詩人になりたい、さもなくば死にたい」
とか言っちゃってる子。
うーむ。若いね。
そんな史樹が現実逃避の場としていた廃工場で、彼は23と出会う。
23。果たしてそれはなんなのか。
見た目は大型の犬であり、日本狼によく似ている。
しかし高い知能を持ち、人語を理解して操り、瀕死の重傷も自然治癒し、身体から鋭利な角を生やして攻撃することもできる。
人知を超えた、未知の存在。
耳に23という数字が刻まれており、史樹はその犬に見える何かを23と名付け、廃工場で彼と友情を育んでいく。
そこに23を犬神だと言って探す謎の勢力が現れたり、23の仲間と思しき犬神が現れたりして、史樹と23を騒動に巻き込んで行く。
…と。ここまで書いて気がついたけど、『寄生獣』とよく似たタイプの作品だなぁ。
『犬神』の連載開始よりも前に『寄生獣』は完結しているようですが、両方同じアフタヌーンで連載されてたそう。
未知の生命体との交流を描いた作品である点、
その生命体の名付けの安直さ(右手でミギーに、そのまんまの23)、
未知の生命体が人類を裁くという点(寄生獣は裁きとはいえないけど、人間を捕食する。犬神は「人間を見る」ために遣わされた存在)
そして肉体を変形させた武器を使うという攻撃方法…
うーん。よく似てる。
ただ大きく違う点は、主人公と未知の生物の関わり方。
『寄生獣』では、ミギーはもともと新一に取り憑いて人間に擬態し、人間を食べようとしていたわけで…本来、ミギーにとって人間は捕食対象なのである。
だけど、彼は新一の乗っ取りに失敗したことで、新一の体の一部(右手部分)に居候することになる。
だから信一との関係は、友情というよりむしろ共生関係であり、利用し利用される、割とドライな関係。
『犬神』の史樹と23は全く違う。彼らは友達で、そこになんら利害関係はない。
彼らは損得なしにお互いを求めてるし、あらゆるものを投げうって相手を助けようとする。
しかも23の見た目がね、犬だからね。
23の振る舞いは忠犬の行いのようにも見えてしまうし、そこがまた『寄生獣』とは違う温かみを感じさせる要因だと思う。
完璧に犬やな。
え?犬に見えない?
それは画力の問題ですね。
ハッピーのくだりは思わず涙(´;ω;`)ウルウル
家族と幸せに暮らしてたのに、研究所に拉致られて、犬神の細胞を植え付けられたハッピー。
見た目も怪物に成り果て、空気感染性のウィルスを撒き散らし、人を殺しまくったハッピー。
でも幸せだったあのお家に、ただ帰りたくて帰りたくて…さまよい歩く姿はあまりにも健気で、涙を誘いました。
しかし昔読んだくせに続きを全く思い出せないんだよなぁ。
初読のような新鮮な気持ちで続きを読みたいと思います。
どうか23と史樹の結末が、ハッピーとその家族のような、悲しい結末でありませんように。