11:それって伏線じゃねぇのかよ!…な、予想外の結末のミステリー漫画
青野春秋さんの『100万円の女たち』全4巻読みました!
ネタバレ含みますので、嫌な方は回れ右!
正直な話、最初は全然期待せずに読み始めたんですよねぇ。
だって絵もあんなだし、なんかタイトルも安直だし。
(じゃぁなぜ手に取った)
でも途中から、謎が謎を呼ぶ展開にどんどん引き込まれていきました!
まずはあらすじ。
主人公は道間慎、31歳、売れない小説家。
彼は一軒家で、素性もはっきりしない5人の女と同居している。
そして彼女らは、毎月家賃として100万円を慎に支払っている。
なぜ慎と女たちは同居をしてるのか?
なぜ女たちは毎月100万ものお金を支払えるか?
なぜ彼女たちはそんな大金を払ってまで慎と同居しているのか?
多くの謎を孕みながら、物語は進んで行く。
裏表紙の説明にもラブコメディと書いてありますけど
どこが???
これはミステリーで、サスペンスだと思います。
この作品の最大の謎
「誰が何の目的で、道間慎と女たちを同居させているのか」
一つ事実が明らかになると、また別の謎が出てくる。
そして、道間慎という男を取り巻く環境がまた複雑で、どいつもこいつも怪しく見えてくる。
道間慎という男…
慎の父親は、自分の妻(慎の母)を含めて3人を殺した死刑囚である。
慎は毎月、父が殺した警察官の実家に線香をあげに行っている。
そして、その警察官の母親は、自分の息子を殺した男の息子である慎(長ぇ!)のことを、実の息子のように気にかけている。
(怪しい女その1)
道間慎という男…
週に2回、超高級ソープランドに通っている。(家賃で500万ももらってるからね、金はある。)
そこではいつも「ほたる」という女を指名しており、入れ込んでる模様。
ほたるもまた、慎のことを「先生」と呼んで親しげ。
(怪しい女その2)
道間慎という男…
売れない小説家なのだが、担当編集者は彼の作品にひどく傾倒している様子。
別の売れっ子作家と比較し、慎の方が素晴らしいと売れっ子作家をやたらディスっている。
慎の作品を売ることに、大いなる熱意を燃やしている。
(怪しい男その1)
その他にも、慎に批判的な評論家や、売れっ子小説家、そして同居する5人の女たちと、もう周りが怪しい奴らだらけ!
そして同居する女の1人が殺されたあたりから、物語は加速度的に進んでいきます。
結論から言うと同居女の1人が黒幕だったわけですが…
2回読んだけど、この女の目的がわからない…
夫が築いた権力を、ただ使いたかっただけ?
それを使って誰を玩具にしようかと検討してる時に、たまたま慎の小説を読んで、ターゲットにした?
売れない小説家の作品をたまたま読むとかある?
慎の父親が死刑囚であること
慎が才能がありながら評価されていない、不遇の小説家であること
同居の女たちの素性(コールガール派遣の胴元だったり、世界的女優だったり)
同居の女たちが慎に惚れていること
ぜーーーーーーーーーーーんぜん、関係なかった(笑)
伏線だと思ってたことが伏線じゃないっていう…。
あんだけ引っ張った謎の結末がこれかぁ…と思うと、ちょっと残念。私の読みが甘いのかしら。
とは言え、最後までスピード感があり、謎に引き込まれていく感覚はすごく良かったし、
なにより生き残った女たちが未来に向かって歩んでいく結末は、読後感も良かったです。